これは20年程前の某公園計画の鳥瞰図です。勿論、手描きですから筆と水彩で仕上げてます。
当時の鳥瞰図の作成にはグリット法を良く使いましたがこれはグリット法と側線法と簡略法を併用しました。
全体の構図はグリット法(A0ほどの紙に、あらかじめ鳥瞰のパースラインがグリットで書き込まれているものを下敷き使用する)でイメージを構築します。
次に目印にすべき物(この場合は建築物の一つ)を側線法を用いて作成した物をグリットに乗せます。次に他の物(橋や木の位置等)を簡略法(カンみたいなもの)で配置していきます。
その場合、目印にすべき物で全てが決まります。
グリットのバランスに忠実に側線法を使用すると高さが不足する場合が有ります(鳥瞰は当然)ので、イメージが伝わりやすく自然に見える高さを任意に設定して作りますので、このバランスが全てのモノサシになる訳です。
形が決まれば後は水彩で一気に仕上げていきます。時間をかけるのは建築物のみで、木等は勢いで描かないと・・・カッチョ悪い(と個人的には思っています)
その時に面白いもので二つしかない自分の目が複数になった気持ちになります。実際に観てるのは筆先なのですが、心というか脳は全体を見渡しています。いや、そんな気持ちになっているのです。もっと集中すればって思われるかもしれないですが、自分的には十分に集中していてるのです。しかし目の前の筆先や色を全体の調子(バランス)を考慮しながら描いているのです。不思議なものですね~
でも、この感覚ってデジタルになった今でも同じです。集中すればするほどに廻りが見えてくるのです。不思議なものですね~
これが良い事かどうかは不明ですが、貴重な個性で有るだろうと勝手に確信して、これからも大事にしていきたいと思っております。