パースの修行中は1980年ですから、まだ手描き主流の時代です。様々な図面を元に2点側線法等で立体形を形成する事から始まりました。しかし学生の頃に習った図法だけでは、クライアントの希望イメージに合った形をを具現化するのに限界を感じた頃です。

複数の図法を組み合わせながら、時には常識を無視して形作りをしたり、それはもう格闘に近い毎日でもあり推理小説を解いているようでも有りました。それでも幸にも優れた美意識を持たれた建築家の方々に御指導頂き、感覚的な成長が幾分か有ったのではと感じております。

彩色等の仕上げは水彩が主流で、後にペン&インクの時代になります。そのエアブラシの時代から現在のCGへと変わっていくわけです。

リアルな画面でシミュレーションしたり、イメージ優先でプレゼンや販促の資料としてその使われ方は様々ですが、建築パースとは、建築図書の一つであり、絵画的表現が加味された建築画として図面の補足を担うものです。

たとえ「図面からパースへ」が「パースから図面へ」とプロセスが変わる時代が来てもその基本を忘れずに制作することが大切であると考えております。